EXHIBITIONS

アバロス村野敦子「Fossa Magna - 彼らの露頭と堆積」

2020.03.06 - 03.29

© Atsuko Murano Abalos

 自らの経験や時事を基礎に、ドキュメンタリー的手法を用いて制作を行う写真家・アバロス村野敦子の書籍出版を記念した展覧会が開催される。

 アバロス村野敦子は兵庫県宝塚市出身。聖心女子大学文学部卒業後、商社勤務を経て渡米。留学先であるアート・インスティチュート・オブ・シアトルでコマーシャル・フォトグラフィを専攻し、同校卒業後はシアトルの白黒写真専門ラボでプリンターとして経験を重ねる。帰国後、国内で商業写真の撮影や海外での雑誌取材を中心とした活動を展開。一時シンガポールに拠点を移し、2013年以降は活動の場を東京に戻して、現在、写真作家として表現の幅を広げている。

 17年にはキヤノンマーケティングジャパン主催の写真家オーディション「SHINES」で、造本家・町口覚に選出され、その後2年の制作期間を経て、町口が編集・造本設計した写真集『Drifting across the sea, Searching for a place to belong. Finding a new home,And calling it their own.』が完成。19年11月に開催された国際的な写真フェア「PARIS PHOTO」で新作として発表された。

 本書のテーマは、ドイツ人地質学者のエドムント・ナウマンによって発見された、日本列島の本州中央部を横断する地溝帯「フォッサマグナ」。フォッサマグナ発見のエピソードに心惹かれてリサーチと撮影を行い、パートナーであるアバロス・カルロがその写真にテキストを添えた。

 本展では、多層的な特徴を持つ作品集の世界観を立体的に表現し、また仕様を変更した同書を販売する。