EXHIBITIONS

繊細な色味と出会う

南桂子展 あの木の向こうがわ

南桂子 みどり色の木 1975

南桂子 花と蝶 1969

南桂子 ブラジルの鳥 1972

 植物や小さな生きものをモチーフに繊細な線を銅版に彫り、情緒的な作品を手がけた銅版画家・南桂子(1911〜2004)。富山県に生まれた南は、高等女学校時代から絵画や詩作に試みた。その後、20世紀を代表する銅版画家となる浜口陽三との出会いをきっかけに、1953年に渡仏し、以後、銅版画家の世界で作品をつくり続けた。

 パリやサンフランシスコを制作拠点とした南の作品は、これまで本の表紙やユニセフのカードに採用され、また近年では、高校の教科書の表紙に使われるなど、いまも色褪せない魅力を持って、世界中の人々に親しまれている。
 
 本展では、南の銅版画より春をテーマとした作品約60点を、繊細な線と色から語られるもの、静けさそのものを大切にして展示。あわせて浜口の作品10点も紹介する。

※ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションは6月4日より再開し、本展の会期を7月26日まで延長。来館にあたっての注意事項および最新情報は公式ウェブサイトにて案内。