EXHIBITIONS

三瓶玲奈「色を見る」

2020.02.15 - 04.04

三瓶玲奈 色を見る 2020 Courtesy of Yutaka Kikutake Gallery

 抽象と具象を行き来するような作品を描いてきた画家・三瓶玲奈の個展が開催。本展は、植物をモチーフとした新作ペインティングで構成される。

 三瓶は1992年愛知県生まれ、2017年東京藝術大学大学院修了。自身の身近にあるものや自身が経験したことをモチーフに、簡潔に見えながらも深く練り上げられた絵筆のストロークと絵具のバランスからなる作品を手がけている。

 前回の個展「水の重さ、滲む光」(2018)では、自身の原風景となった日本の各地をスケッチし、その地で感じた光と湿度の記憶をもとにした絵画を発表。また2019年の夏にヨーロッパ各地を巡り、紙や小さな板へのスケッチを多数制作した。

 こうした記憶に基づく絵画制作を重ねるいっぽう、三瓶は絵画を生み出す「色」そのものをどのように扱い、キャンバス上で絵画を立ち上げていくのかという絵画史上で画家たちが取り組んできたテーマにも真摯に向き合い続けている。

 本展の新作では、三瓶の「色」に対する考察の最新の成果を見ることができるだろう。なお三瓶は、上野の森美術館で開催される「VOCA 展2020 現代美術の展望―新しい平面の作家たちー」(3月12日〜3月30日)にも出展予定。