EXHIBITIONS

岡本太郎“聖家族”

昭和4年12月5日、渡欧前神戸港出帆の箱根丸にて

岡本太郎 森の家族 1983

岡本一平 独身者の独酌 制作年不明

 マンガ家である父・岡本一平と、小説家であり歌人の母・岡本かの子を両親に持つ岡本太郎。一家と関わりの深かった小説家・川端康成は、この家族を「聖家族」と呼んだ。

「父母に感謝することがあるとすれば、つねに同等な友人のように扱ってくれたことだ」と語った太郎。岡本一家は夫婦、親子が一個の独立した人格として対等な関係で結ばれているような、当時においては稀な家族形態であった。いっぽう、まったく異質な芸術家の共同生活には「想像もできない絶望的な矛盾」があったとも語られ、そのなかで起こる様々な葛藤のなかで、太郎は成長していった。

 本展では、太郎と一平、かの子、それぞれの作品を紹介するとともに、洋服や装身具など3人の日常生活を写す日用品や写真を展示。芸術に生きた一家の足跡をたどる(本展は展示の写真撮影が可能)。