EXHIBITIONS

宇野雪村

2020.01.11 - 02.29

宇野雪村 白日依山 1951

 2020年に開廊70周年を迎える東京画廊+BTAP。節目となる年の最初の展覧会では、戦後日本を代表する書家・宇野雪村を紹介する。
 
 雪村は1912年兵庫県生まれ。32年に御影師範学校(神戸)を卒業し、書道誌『書鑑』の購読をきっかけに書を志した。32年頃より上田桑鳩に師事し、40年に桑鳩を代表とする芸術研究団体「奎星会」の結成に参加。戦中・戦後を通して前衛書運動の発展に尽力した。また雪村は、書の原点である古代中国の文化を熱心に研究し、収集した拓本の一部は没後、北京の故宮博物院に寄贈されている。

 雪村が牽引した戦後の前衛書では、造形性を純化させ、文字の意味内容からの脱却が試みられた。そのいっぽうで、書の表現の基本をなす身体性は保持され、雪村らによる多彩な前衛的表現はいずれも書の古典に基づいた展開として読み解くことができる。

 東京画廊+BTAPは開廊から数々の書に関する展覧会を開催。本展が日本の近代美術史を再考するきっかけとなるよう、書の領域を超えて様々な分野に影響を与えた雪村の活動を振り返る。