EXHIBITIONS

高橋奈己展―白磁のかたちー

2019.11.15 - 2020.01.21

高橋奈己 実 2019

 高橋奈己は、自然の植物の種や実、花のつぼみをモチーフとした白磁による独自の作品を制作する注目の若手陶芸家。1997年に武蔵野美術大学短期学部専攻科(陶磁コース)を卒業。その後、イタリア・ファエンツア国立陶芸美術学校に学び、2005年頃から国際陶磁器展美濃や菊池ビエンナーレ、日本伝統工芸展、日本陶芸展、パラミタ陶芸大賞展と、数々の入選・受賞を重ねてきた。

 高橋の作品は、丸いフォルムの側面をエッジの立った曲線で覆い、そのエッジのつくる陰影の濃淡によって生じる多様な表情が特徴。光の陰影を帯びた独自の造形は、白磁の凛とした佇まいのなかに、自然の生命力を内包した力強さを感じさせる。

 高橋は自然の不規則なかたちを表現するため、全体を複数のパーツに分けて鋳込み技法で作品を制作。鋭いエッジのラインは成形後に再び整えている。近年は、茶室独特の光のなかに映える陰影のかたちや美しさを探究し、作品に新しい魅力が加わっている。

 本展では、モダンな感覚にあふれた花器や造形作品に、茶碗や水指、茶器の茶道具を加えた20点が展示されている。