EXHIBITIONS

網走市立美術館コレクション選

居串佳一とオホーツクの画家たち

2019.12.14 - 2020.03.15

居串佳一 氷上漁業 1936 網走市立美術館蔵

 居串佳一(いぐし・かいち)は、故郷である北海道・オホーツクの風土を主題に描いた北海道出身の画家。1911(明治44)年、相ノ内村(現・北見市)に生まれた居串は、幼い頃に一家で網走町(現・網走市)に移住し、オホーツクの海や船の絵などを描き始めた。

 居串は小学校で、洋画家・林竹治郎に師事した宮本金次に絵画の基礎を学び、旧制網走中学校(現・網走南ヶ丘高等学校)で美術部『白洋画会』に参加。卒業後は測候所での勤務を経て画業に専念し、32年の独立展で初入選した。41年には若くして同展会員に選ばれ、有島生馬の推薦で居串の作品《弓》が日本代表としてイタリア政府の買い上げとなった。

 戦時中は従軍画家として満州や千島などに同行。戦後は網走市にアトリエを構えて故郷の景色を描き、再び活動を本格化させようとした矢先に44歳で早逝した。

 本展では網走市立美術館の所蔵品から、オホーツクの風物を叙情的に描いた居串の作品を展示。あわせてオホーツク地方にゆかりのある画家たちの作品も紹介する。