EXHIBITIONS

やなぎみわ展 神話機械

2019.12.10 - 2020.02.24

やなぎみわ 女神と男神が桃の木の下で別れる:川中島(部分) 2016 作家蔵

やなぎみわ 神話機械・タレイア 2019 作家蔵 撮影=表恒匡

やなぎみわ 神話機械・ムネーメー(投擲マシン) 2019 被災地からの発信・心の復興支援事業実行委員会蔵 撮影=表恒匡

やなぎみわ グレーテル 2004 作家蔵

 1990年代から現在に至るまで、現代美術のみならず演劇界でも忘れられないアートシーンを創出してきた美術家のやなぎみわ。1994年の「エレベーター・ガール」シリーズ(〜1998)で最初に注目を浴びたやなぎは、その後、「マイ・グランドマザーズ」「フェアリー・テール」といった一連の写真作品で世界的に評価を受け、2009年には第53回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表を務めた。

 いっぽう、10年から本格的に演劇プロジェクトを開始。大正期の日本を舞台に、新興芸術運動の揺籃を描いた「1924」三部作で話題を集めたほか、台湾で製造したステージ・トレーラーを母体に16年から日本各地を巡礼する野外劇は大きな感動を与えた。その舞台作品と並行し、日本神話をモチーフに、福島県内の果樹園で桃を撮影した新作シリーズを制作している。

 やなぎの約10年ぶりの大規模個展となる本展では、新作シリーズ「女神と男神が桃の木の下で別れる」をまとまったかたちとしては初公開。また本展に向け、京都、高松、前橋、福島の大学などと連携した「モバイル・シアター・プロジェクト」を立ち上げ、アートと機械が融合した4台のマシンによる無人の演劇空間を会場に生み出す。