EXHIBITIONS

山本尚志「入口と出口とフタと底」

2019.12.07 - 2020.01.22

山本尚志 出口 2019 © Hisashi Yamamoto Courtesy of Yumiko Chiba Associates

山本尚志 底 2019 © Hisashi Yamamoto Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 現代美術と現代書道の2つの領域を横断する書家・山本尚志の個展が開催されている。

 山本は1969年広島県生まれ。幼い頃より書に親しみ、20歳のときに書家・井上有一の書に出会ったことをきっかけとして、本格的に書の世界を志した。のちに山本は、目標としてきた井上のカタログレゾネの制作にも携わっている。

 いっぽうで、従来の徒弟制度や書道団体とは距離を置きながら制作を進める山本は、伝統的・旧来的な書にとらわれない今日的な書のあり方を模索するなかで、「ものにものの名前を書く」という方向性を確立。原始的な絵文字を思わせる図像のなかにカタカナの単語などの簡潔な文字(=ものの名前)を書き、絵として文字また文字としての書という実践のなかで、書の現在性を問う。

 本展は、前半期に山本の個展「入口と出口とフタと底」、後半期は山本がキュレーションする書家のグループ展「現代アート書道の世界2【記号と今】」(2020年2月8日〜3月7日)の2期に分けて開催される。