EXHIBITIONS

岸田劉生展

―写実から、写意へ―

2019.11.09 - 2020.01.13

岸田劉生 支那服を着た妹照子像 1920 ひろしま美術館蔵

岸田劉生 寒山風麗子像 1922-23 笠間日動美術館蔵

岸田劉生 『白樺十周年記念集』見返し 1920 笠間日動美術館蔵

岸田劉生 夏の路(鵠沼海岸) 1922 笠間日動美術館蔵

岸田劉生 りんご 笠間日動美術館蔵

 生涯渡欧することなく日本で西洋絵画を受容し、やがて独自の写実描写で対象の内面に潜む美を表現した洋画家・岸田劉生。1908(明治41)年に白馬会葵橋洋画研究所に入って黒田清輝に師事した劉生は、当初、ポスト印象派からの影響が強く表れた作品を描いた。

 その後、デューラーやヤン・ファン・アイクといった北方ルネサンスの画家からの影響が顕著な肖像画の数々を制作。そして晩年に向かうにつれ独自の細密描写を極め、最終的には、見たものをそのまま立体感豊かに画面上に再現する西洋的な「写実」ではなく、対象の持つ真の姿を表現する「写意」に至った。

 本展では、笠間日動美術館のコレクションを中心に、劉生の絵画をはじめ、版画や装丁画など約170点を展示。初期の西洋美術の受容による「写実」から、後半生に独特の展開を見せた日本画や東洋的な装丁の「写意」へと連なる、劉生の画業の変遷をたどる。※会期中、展示替えあり。