山田七菜子

　注目の若手ペインターの展覧会シリーズ「project N」の第77回では、鮮烈な色彩で自身の内面世界を表現する山田七菜子の個展が開催されている。

　山田は1978年京都府生まれ。ほぼ独学で絵画を制作し、海や山、荒野などを背景に、人間の根源的な姿、生きることの深淵を覗くようなイメージを強いタッチで描いている。2018年に「VOCA展2018」VOCA奨励賞を受賞。これまでの主な個展に、「かわいい血、かわいい土地」（Gallery HAM、愛知、2013）、「絵画，それを愛と呼ぶことにしよう vol.1山田七菜子」（gallery αM、東京、2012）など。グループ展に、「ココロの景色」（ボーダーレス・アートミュージアムNO-MA、滋賀、2011）、「情の深みと浅さ」（ヤマザキマザック美術館、愛知、2019）などがある。

「描くことは世界から自分をかくまうこと」と語るいっぽう、近年は他者との共感の世界にも目を向けているという山田。本展では、自ら故郷の方言で綴った民話的なテキストにあわせて描いた、新作の油彩画とドローイングを発表する。