EXHIBITIONS

長谷川繁と丹羽良徳

長谷川繁 参考画像

丹羽良徳 冷戦時代に配達された絵はがきを届け先に再送する 2017

「描く」ことの本質を探求する画家・長谷川繁と、公共空間で様々なプロジェクトを展開する丹羽良徳の2人展が開催されている。

 長谷川は1963年滋賀県生まれ、86年愛知県立芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。ヨーロッパで活動し、帰国後は巨大なキャンバスに壺や生姜といった身のまわりにあるものをモチーフとした作品を発表。「新しい具象(ニュー・フィギュラティブ・ペインティング)」の画家に数えられる。2013年のグループ展「ユーモアと飛躍 そこにふれる」(岡崎市美術博物館、愛知)以降、作品の発表を一切せず制作を続け、今年3月にSatoko Oe Contemporary(東京)で9年ぶりとなる個展「PAINTING」を開催した。

 丹羽は1982年愛知県生まれ、2006年よりウィーンで活動。パフォーマンス、映像、インスタレーション、さらに展覧会期間中に進行するプロジェクトを含むあらゆるメディアを横断し、社会介入行為の形式を取る作品を制作。明示される作品タイトルはスローガン的・自己説明的で、ほとんどの場合は非生産的で無意味な行動を公共空間で実現する過程の一部始終を映像記録に収める。そこで明示されたタイトル内容を実行する過程で生まれるあらゆる軋轢をさらし、制度化された公共概念の外縁を描くプロジェクトを国内外で実現させてきた。今年7月、2020年東京オリンピック・パラリンピックと同会期にSatoko Oe Contemporary(東京)で個展「想像したはずの共同体」を開催した。

 本展では、長谷川が描き溜めてきた未発表の絵画作品に加え、ドローイングを展示。いっぽう丹羽は、17年に手がけた映像インスタレーション《冷戦時代に配達された絵はがきを届け先に再送する》を中心に発表する。