映画雑誌の秘かな愉しみ

　明治末期、新しい視覚メディアとして日本に普及した映画。それと同時に、広範な話題を提供する総合誌、スターや映画会社のファン雑誌、映画の言論空間となった評論誌、製作や興行の動向を伝える業界誌、そして特定の主題に焦点を絞った専門誌など、数々の雑誌が生み出された。

　国立映画アーカイブでは、現存する日本初の映画雑誌『活動写真界』の創刊から110年、そして現在も続く『キネマ旬報』の創刊から100年の節目に、映画雑誌の豊かな歴史に焦点を当てた展覧会「映画雑誌の秘かな愉しみ」を開催。『活動写真界』『キネマ旬報』をはじめ、明治・大正期から近年まで、多種多様な日本の映画雑誌を多数展示している。

　先人たちが情熱を傾け、試行錯誤しながら積み重ねてきた映画雑誌の歴史に触れ、映画の愉しみを再発見できる機会となるだろう。