EXHIBITIONS

小野耕石展 ―放たれた舟―

勝山文化往来館 ひしお
2019.10.12 - 10.27

「小野耕石展 ―放たれた舟―」より

「小野耕石展 ―放たれた舟―」より

 小野耕石は1979年岡山県倉敷市生まれ、2006年東京藝術大学美術研究科修士課程絵画専攻版画科修了。無数の点を並べたシルクスクリーンの版を刷り重ね、見る角度によって様々に変化する立体的な平面作品を制作。また平面作品から派生した立体作品やインスタレーションも手がけてきた。

 近年の個展に、(勝山文化往来館ひしお、岡山、2019)、​「波絵」(横田茂ギャラリー、東京、2017)。展覧会に「The ENGINE 遊動される脳ミソ 小野耕石×門田光雅」(セゾン現代美術館、長野、2019)、「モネそれからの100年」(名古屋市美術館/横浜美術館、2018)などがある。

 2018年7月、西日本豪雨によって地元・岡山に甚大な被害が遭ったことを受け、自身の潜在意識に、総社市、真備町の田園風景が色濃く沈殿していることに気づいたという小野。本展では、水害時に命を落とした雄鹿の頭骨を預かり手がけてた新作シリーズ「Inducer」を発表。顎のない頭骨を上下さかさまにし、頭部を舟に、角を櫂(オール)に見立て、代表作「波絵」とあわせて展示する。

 会期の最終日には作家による作品解説のトークを開催。同日、情景描写ピアニストの山地真美を招き、展示作品からインスピレーションを受けた即興演奏が行われる。