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犬塚 勉 風景が芸術になる

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 犬塚勉(いぬづか・つとむ)は1949年神奈川県川崎市生まれ。豊かな自然が残る西多摩郡稲城村(現・稲城市)で少年時代を過ごし、小学校時代に見た三沢川の光景が描きたいという思いから画家を志して、東京学芸大学に進学。大学院修了後は、中学校の美術教師をしながら、画家となることを目指した。しかし、ようやく独自の画風を確立した矢先に谷川岳で遭難し、38歳の短い生涯を終えた。

 遺族によって大切に保管された犬塚の作品は、その没後20年にあたる2009年にNHKの『日曜美術館』で紹介され、一躍注目される。特定の場所を精密に描いた作品は、草の一本一本まで丁寧に描き込んで精緻に再現された風景画でありながら、見る人それぞれの記憶のなかの、ある日の光景を想起させる懐かしさを湛え、いまも多くの人を魅了し続けている。

 本展では、犬塚の画家としての始まりから、画風を確立させた晩年の5年間の作品を中心に100点を展示し、その足跡をたどる。また、会期中には東海大学学芸員資格課程の学生と協力したワークショップを行い、犬塚のさらなる魅力に迫る。

※台風19号の影響に伴う休館のため、開催中止。詳細は美術館ウェブサイトを参照。