EXHIBITIONS

富田直樹「東京」

2019.10.18 - 11.22

富田直樹 Tokyo(Metropolitan Expressway) 2019 ©︎ Naoki Tomita / MAHO KUBOTA GALLERY

富田直樹 Tokyo(National Stadium) 2019 ©︎ Naoki Tomita / MAHO KUBOTA GALLERY

富田直樹 Tokyo(Shibuya) 2019 ©︎ Naoki Tomita / MAHO KUBOTA GALLERY

 富田直樹は1983年茨城県生まれのペインター。2012年京都造形芸術大学美術工芸学科卒業、15年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画専攻修了。厚塗りの油絵具を重ねる手法で描いた大都市近郊の風景、職業を持たない若者たちを描いたペインティングが注目を集める。主な個展に、アーティスト・イン・レジデンスつなぎの成果展「さざなみ」(つなぎ美術館、熊本、2018)「Project N 60 富田直樹」(東京オペラシティアートギャラリー、2015)などがある。15年に現代芸術振興財団アートアワード審査員特別賞を受賞した。

 空きテナントのファサードや不動産屋に案内された何も置かれていない部屋、街中のコインパーキング。富田が描く郊外や都会の風景画は寂寥感を持ちつつ、「何かが生まれる前の光景」を見つめる画家のまなざしが、清しさやかすかな煌きを感じさせる。

 2020年をひとつの指標に、刻々と移り変わる東京の座標を描こうと決め、数ヶ月に及ぶ制作に取り組んできた富田。熊本県津奈木町での滞在制作を経て、ニュートラルな視点で東京のいまをとらえた新作を発表する。