EXHIBITIONS

乙女のデザイン 大正イマジュリィの世界

2019.10.05 - 11.24

竹久夢二『乙女のねがい』セノオ楽譜459番表紙 1927年 個人蔵

杉浦非水『非水図案集』第1輯 1915年 個人蔵

高畠華宵 『少女の国』第2巻第6号表紙(部分) 1927 個人蔵

蕗谷虹児 巴里の燭火 便箋表紙(部分) 大正末~昭和初期 個人蔵

岡本帰一 兎のダンス 『コドモノクニ』3巻5号挿画 1924 個人蔵

 大衆文化が盛んになり、印刷技術が進歩した明治末から大正、昭和初期。美しい装幀の書物が人々の暮らしを彩り、街は華やかな広告やポスターが溢れた。印刷文化の黄金期とも言われるこの時代には、「夢二式」と呼ばれる女性像で人気を集めた竹久夢二や、日本の商業デザイナーの草分けともいえる杉浦非水らが活躍した。

 本展では、当時の書籍、雑誌、挿絵、広告、絵はがきなどの印刷物や版画を「大正イマジュリィ」と総称し、モダンでかわいらしいデザインの魅力を紹介。藤島武二、橋口五葉、富本憲吉、岸田劉生ら日本近代美術の重要な画家たち、夢二や高畠華宵、蕗谷虹児ら抒情画家、熱心な愛好家を持つ小林かいちなどが残した印刷物から、作家名の残らない広告類まで、心ときめく百花繚乱の図像を一堂に展示し、日本のグラフィックデザイン史の出発点を振り返る。