EXHIBITIONS

ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展

フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー 磁器の花瓶の花、燭台、銀器 1839 所蔵:リヒテンシュタイン 侯爵家コレクション、ファドゥーツ / ウィーン © LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

ぺーテル・パウル・ルーベンスと工房 ペルセウスとアンドロメダ 1622年以降
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ / ウィーン

© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

景徳鎮窯《染付花鳥文金具付壺》 金属装飾=イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト 磁器=青の下絵付、順治~康煕年間(1644-1723) 金具=鍍金されたブロンズ 1775 / 1785  所蔵=リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ / ウィーン © LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

 世界で唯一、侯爵家の家名が国名となっているリヒテンシュタイン。しばしば宝石にも例えられるそのリヒテンシュタイン侯爵家の秘蔵の至宝が集う展覧会が開催される。

 本展は、ルーベンス、ヤン・ブリューゲル(父)、クラーナハ(父)を含む北方ルネサンス、バロック、ロココなどの油彩画と、ヨーロッパでも有数の貴族の趣向が色濃く反映された、ウィーン窯を中心とする優美な陶磁器、合わせて約130点で構成される。

 本展のメインヴィジュアルである作品《磁器の花瓶の花、燭台、銀器》を描いた画家ヴァルトミュラーは、細部のこだわりにおいて他の作家とは一線を画す。徹底的に細部を表現しているにもかかわらず、絵画としての美しさは少しも損なわない、ヴァルトミュラーの芸術のエッセンスを凝縮した作品を堪能することができる。

 また、本展のみどころのひとつとなるのが、花を描いた作品が多数出品されることだ。同時代の人気作家が描いた繊細かつ華やかな「宝石」は必見。