EXHIBITIONS

特別展示「首くくり栲象」

2019.08.27 - 08.31

宮本隆司 首くくり栲象 Ryuji Miyamoto ©︎ 2013

 自宅の庭「庭劇場」で首を吊るパフォーマンスを続けた首くくり栲象(くびくくり・たくぞう、本名=古澤守)。その姿を追い、撮影した宮本隆司の写真・映像展示と、余越保子によるドキュメンタリー映画『Hangman Takuzo』(2010)の上映が行われる。

 首くくり栲象は1947年群馬県生まれ。18歳で上京し、路上やギャラリーでのパフォーマンスやアクションを開始。美術家の風倉匠や松澤宥、高松次郎らの薫陶を受け、70年頃より首吊りのパフォーマンスを始めた。舞台では「大野一雄フェスティバル2004」をはじめとして黒沢美香とパートナーを組み、また安藤朋子と共演した「ARICA『蝶の夢』(演出=藤田康城、2009)などがある。2018年3月、肺がんのため70歳で逝去した。

 余越が監督した『Hangman Takuzo』は、2010年4月、広島県の瀬戸内海のとある小島に立つ廃屋が撮影地。首くくり栲象、コンテンポラリーダンスのパイオニアである振付師、ダンサーの黒沢、自然のなかを裸体で歩く行為芸術を行う川村浪子の3名が、永久に残るであろう「映像」にロマンと希望を持って臨んだ、「首吊り」のパフォーマンスが記録されている。

 作品展示と映画の上映は5日間限定。宮本の写真作品のほか、「首くくり栲象」と名乗るまでの古沢守、古沢宅、古澤宅、古澤栲に関する活動資料、首くくり栲象が被写体となった羽永光利の写真作品も並ぶ。