EXHIBITIONS

アート・プロジェクト KOBE 2019:TRANS-

新開地地区、兵庫港地区、新長田地区
2019.09.14 - 11.10

やなぎみわ 野外劇『日輪の翼』 2019 展示場所である神戸市中央卸売 市場本場の様子

兵庫港・中央卸売市場でのやなぎみわ舞台車「花鳥虹」

レゴール・シュナイダー 消えた現実

グレゴール・シュナイダー 白の拷問 2005-

「アート・プロジェクト:TRANS- 」は、神戸市街で初開催されるアート・プロジェクト。世界各地で開催が相次ぐ芸術祭とは一線を画し、グレゴール・シュナイダーとやなぎみわのアーティスト2名のみを招聘する本プロジェクトは、古くから神戸の歴史に関わってきた3つのエリアを舞台に展開される。

 シュナイダーは1969年ドイツ・ライト生まれ。16歳のとき、自宅の部屋のなかに別の部屋をつくるなどして改造した作品《家 u r》の制作に着手。2001年にヴェネチア・ビエンナーレドイツ館代表作家に選ばれ、金獅子賞を受賞。以降、インド、コルカタの寺院前に巨大な道の門を立てる、大きな水道管を迷路のようにはりめぐらせるなど、時空がねじれた非現実な体験を促すインスタレーションを手がける。横浜トリエンナーレ、ミュンスター彫刻プロジェクトなど、国際芸術祭の参加も多数。

 やなぎは1967年神戸市兵庫区生まれ、京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。「エレベーターガール」や「マイ・グランドマザーズ」など、CGや特殊メイクを駆使した写真シリーズで、若さと老いといった女性を取り巻く諸問題への洞察を試みている。2009年、ヴェネチア・ビエンナーレ日本館の代表作家。11年からは演劇にも取り組み、移動舞台トレーラーで日本各地を巡礼する野外劇『日輪の翼』などで注目を集める。

 本プロジェクトの会場となる兵庫港、新開地、新長田は、神戸のルーツともいえる地域。平清盛が拓いた兵庫の港、明治から昭和にかけて「東の浅草、西の新開地」と謳われ、芸能が盛んだった新開地、そして阪神淡路大震災で甚大な被害を受けた新長田。ここで、シュナイダーは《美術館の終焉ー12の道行き》と称した12作品を発表し、いっぽうやなぎは半陸半海の演劇公演に挑む。