今、世界で評価され続けているアジア人作家 第3回

　軽井沢ニューアートミュージアムが、いま注目すべき作家をクローズアップする企画展シリーズ。3回目では、戦後のアートシーンで旋風を起こした抽象絵画に着目し、今井俊満、上前智祐、草間彌生、堂本尚郎の4人を取り上げる。

　第二次大戦後の1950年代、それまでの絵画の概念を大きく変える新しいアプローチや制作に対する考え方が世界中で同時発生的に生まれた。アンフォルメル、抽象表現主義、具体美術協会といったいくつかの芸術運動とそれを推進するグループが次々と結成され、様々な芸術的実験が行われた。

　本展で紹介する4人は、こうした流れのなかで日本のみならず世界をフィールドに活躍し、美術史に大きな足跡を残した作家たち。一般的に難しい印象を持つ抽象絵画を楽しめるよう展示構成を工夫し、4人が抽象表現に見出したものを探ると同時に、時代背景や作家個人の特徴、それぞれの創造の歩みをたどる。（上前智祐の作品は前期のみ展示）