EXHIBITIONS

潘逸舟

私たちの条件

2017.07.01 - 08.05

潘逸舟 波をとめている夢 2017 © Ishu Han Courtesy of URANO

 潘逸舟(はん・いしゅ)は1987年上海生まれ。9歳のときに青森に移住し、現在は東京を拠点に活動をしている。潘の表現は自らの身体や日用品を素材として、映像やインスタレーション、写真、絵画などの多種多様な形態をとる。そのいずれにも、人類が作り出した巨大なシステム(国家/社会)と、それを構築する一部分である個人の身体とが存在し、時代や場所によって様々に定義される制約=条件によって、個人のアイデンティティは揺れ動き定まらないのではないか、ということを重層的に示唆する。

 本展では、6×2mという巨大スクリーンを使用した、雪原の誰のものともわからない足跡を辿る映像作品を中心に、教科書の文字・写真が印刷されていない余白の部分をちぎり取ってキャンバスに貼りつけた新作の平面作品《余白》、ボストン美術館を始めアメリカ国内を巡回した展示「In the Wake - Japanese Photographers Respond to 3/11」への出品作品《Life Scan Fukushima》、警備員に扮して波を止め続けるパフォーマンスを映像に収めた新作《波を止めている夢》など約10点を展示する。