EXHIBITIONS

向山喜章「11・33」

2019.07.27 - 09.07

向山喜章

 移ろい変わりゆく光を絵画にとどめる方法を探求してきた向山喜章。近年は、キャンバスに染み込ませるようにして様々な色を幾層にも重ねた、ミニマルな作品を発表。その制作の背景には、幼少期を日本有数の密教の伽藍が立ち並ぶ高野山で過ごし、静謐な環境や密教美術に触れてきた原体験がある。

 向山は2018年の夏から半年間に渡ってMGM Resorts Art & CultureのArtist in Residenceプログラムに参加。ラスベガスのBellagio Hotel 内に設けられたスタジオにて公開滞在制作を行った。多くのレストランやホテルが一直線の道に立ち並ぶラスベガス・ストリップを彩るネオン、喧騒を離れた地に広がる雄大な自然を照らし出す太陽の光、そしてそれらに静かに寄り添うように夜空を彩る月明かりから着想を得た向山は、同地で24点組の大作「Vendarta 100- Six Elements and the Seasons」を完成させ、その作品はMandalay Bay Convention Centerに恒久設置されている。

 本展は、ラスベガスでの滞在制作の延長線上において展開される新作ペインティングとドローイングで構成。作品の背景には、光のみならず、舞台や音楽のライブステージなど、ラスベガスで出会った新たな要素を見ることができる。