EXHIBITIONS

project N 76

末松由華利

末松由華利 いずれ溶け合う 2019 撮影=馬渡孝則

 展覧会シリーズ「project N」の76回は、アクリル絵具のにじみやぼかし、色彩の重なり合いによって抽象的な絵画を描く末松由華利を紹介する。

 末松は1987年埼玉県生まれ、2010年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。これまで個展「末松由華利‐輪の中で考えたこと‐」(長野市芸術館、2017)、「RANDY ART HILLS vol.42常ならぬ季節」(RANDY、東京、2018)などを開催するほか、「シェル美術賞展2017」(国立新美術館、東京)、「FACE展2018損保ジャパン日本興亜美術賞展」(東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館、東京)などのグループ展に参加。2017年には「シェル美術賞2017」で島敦彦審査員賞を受賞している。

 絵画制作において、描きたいテーマや題材に合う言葉やタイトルを大切にしているという末松。抽象的な作風でありながら、末松の作品には自身の取り巻く体験が表されており、しかし扱うテーマと近すぎない冷静な距離感を保たれている。