EXHIBITIONS

田名網敬一の観光 Keiichi Tanaami Great Journey

ギンザ・グラフィック・ギャラリー
2019.07.05 - 08.21

Designed by Keiichi Tanaami

 1960年代より第一線で活躍し、デザイン、イラストレーション、アニメーション、実験映画、立体作品、絵画と、多岐にわたる作品を手がけてきた田名網敬一。近年は、自身の記憶や夢を原風景に、その80年以上もの歴史を記した「曼荼羅図」の制作に取り組んでいる。

 奇怪でありながらもポップな妖怪画のような印象を持つ田名網の近作には、アメリカンコミックを引用したアメリカの爆撃機、そのなかで光を放つ擬人化した爆弾、威嚇するようにうごめく鶏や金魚などのモチーフが登場し、田名網が幼少期に体験した戦争の記憶に深く関係しているという。また、田名網が敬愛するアーティストたちの作品や、SF雑誌、マンガのキャラクターなどの引用も数多く画面に発見することができる。こうした引用は、田名網とポップアートとの関係性を示すいっぽうで、作品を通して自身の記憶をポジティブなものへと変換しようとする作家の自然な姿を映し出している。

 本展は、そんな田名網の現在をひも解くことを試みるもの。新作のプリント作品22点、アニメーションや立体作品から、ファッションブランドとのコラボレーションアイテム、出版物、プロダクトアイテムまでを網羅して紹介する。