ヤン・ヴォー「To each his due」

　ヤン・ヴォーは1975年ベトナム生まれのアーティスト。2005年にデンマーク王立美術院（コペンハーゲン）を卒業し、現在はメキシコシティを拠点に活動。

　ヴォーはその実践において、文化的なアイコンや破壊された宗教的イメージ、サイゴン陥落から逃れた家族、友人に直接的・比喩的に関与する象徴的な事柄を取り上げ、歴史と個人史を交差させることで、アイデンティティとは何かを模索している。

　2018年はニューヨークのグッゲンハイム美術館で個展を開催。19年は香港のM+でノグチイサムとコラボレーションするなど、これまで、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各地の様々な美術館で個展を開催してきた。19年には第58回ヴェネチア・ビエンナーレへの出展を予定している。

　本展では、彫刻作品や写真、絵画、諷刺画などで展示を構成。負の歴史、作家にとって身近な人物、とある芸術家の作品といった無関係な要素が、ヴォーによってひとつの空間で相互依存する。