EXHIBITIONS

20世紀の工芸 日本×西洋 ―新しい表現を求めて―

2019.04.27 - 06.16

富本憲吉 色絵金銀彩四弁花文飾壺 1960 東京国立近代美術館蔵 撮影=米田太三郎 © 1977

エミール・ガレ 藤文花瓶 c.1900-04 東京国立近代美術館蔵

二十代堆朱楊成 彫漆六華式平卓 1915 東京国立近代美術館蔵 撮影=尾見重治 © 2012

 明治時代、万国博覧会への出品を通して欧米からの人気を集めた日本工芸。政府は、日本独自の美意識と高い技術によって制作された工芸品を重要な輸出品としてとらえ、殖産興業政策のもと、西洋の愛好家が好むような日本的かつ豪華な装飾の工芸品を生産・輸出し、日本の技術力と文化を海外に示した。

 大正時代に入ると、工芸品生産に新たな動きが生まれ、創作表現として工芸品を制作する作家が登場。作家たちはそれまでの過剰ともいえるような装飾を離れ、アール・ヌーヴォーやアール・デコなど西洋の様々な芸術風潮を取り入れながら、独自の表現を確立しようと試みた。

 本展では、東京国立近代美術館の所蔵作品から、大正・昭和の日本工芸作品と関連する西洋のデザイン作品を展示。新しい表現を求めた工芸作家たちが西洋の動向をどのようにとらえ、独自の表現として昇華していったのか、その過程を紹介する。