EXHIBITIONS

キスリング展 エコール・ド・パリの夢

2019.04.20 - 07.07

キスリング ベル=ガズー(コレット・ド・ジュヴネル) 1932-33 カンティーニ美術館、マルセイユ © Musée Cantini, Marseille

キスリング シルヴィー嬢 1927 松岡美術館蔵

キスリング レモンのある静物、緑の背景 1916 プティ・パレ美術館 / 近代美術財団 © Petit Palais / Art Modern Foundation, Genève

キスリング サン=トロペでの昼寝(キスリングとルネ)プティ・パレ美術館 / 近代美術財団、ジュネーヴ © Petit Palais / Art Modern Foundation, Genève

キスリング カーテンの前の花束 1937 村内美術館蔵

キスリング 赤い長椅子に横たわる裸婦 1918 プティ・パレ美術館 / 近代美術財団、ジュネーヴ © Petit Palais / Art Modern Foundation, Genève

 エコール・ド・パリを代表する画家のひとり、キスリングの日本では12年ぶりとなる展覧会が開催される。

 キスリングは1891年ポーランド・クラクフ生まれ。美術学校を卒業後、19歳でパリに渡り、モンマルトルやモンパルナスで、パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラック、アメデオ・モディリアーニなど、多くの芸術家と知り合う。初期は、キュビスムの影響も受けながら、キュビストのように現実世界から離れることには抵抗し、主題を写実的なものへと方向転換させた。

 そして、イタリアやフランドルの古典的な絵画に積極的に学んだキスリングは、風景画、静物画、裸婦などにおいて独自のスタイルを確立。なかでも肖像画を数多く描き、とくに透明感のある色合いと細部までを写実的に表現した《ベル=ガズー(コレット・ド・ジュヴネル)》では、キスリングの特徴を見ることができる。

 丁寧な筆致による洗練されたレアリスムと、静謐でありながら官能的な色彩によって、エコール・ド・パリの重要な芸術家として位置づけられたキスリング。本展では20~30年代のパリで「モンパルナスのプリンス」と呼ばれ、時代の寵児となったキスリングの画業を、滞米時代の作品を含む作品約60点で振り返る。