EXHIBITIONS

塩見允枝子、植松琢麿「星をめぐる冒険」

© Mieko Shiomi

 作曲家の塩見允枝子と、アーティストの植松琢麿による2人展が開催されている。

 塩見は、小杉武久や刀根康尚らと日本で最初の即興演奏集団「グループ・音楽」を結成。1963年にナム・ジュン・パイクを通じてフルクサスを知り、翌年ニューヨークに渡ってその活動に参加した。形式にこだわらず、つねに変化を求めたフルクサスの考えと行動は、塩見の音楽と同調し、自然や日常の中の様々な事象を対象とする作品を発表した。

 植松は8歳の頃にピアノで弾いた『星の形をしたワルツ』という曲集で、塩見の作品に初めて触れた。それから20年以上を経て、2001年の国立国際美術館での展覧会「ドイツにおけるフルクサス」において、塩見が企画したパフォーマンスに参加。その年は植松が作家として活動を始めた年でもあり、このときの出会いは、その後の植松の制作に大きな影響を与えた。

 植松が塩見に声をかけたことから実現した本展。展示空間で、科学と芸術のはざまで時間や次元を超える装置もしくは場、を表現しようとしてきた植松と、日常の中の偶然的に生じるものを作品化してきた塩見の世界観が共鳴する。