EXHIBITIONS

北大路魯山人

美・食の巨人

2017.06.03 - 07.23

北大路魯山人 色絵染付鮑形鉢 1935-44 世田谷美術館所蔵

北大路魯山人 色絵染付鮑形鉢 1935-44 世田谷美術館所蔵

北大路魯山人 天上天下唯我独尊 1940 世田谷美術館所蔵

北大路魯山人 織部扇面鉢 1935-54 世田谷美術館所蔵

北大路魯山人 日月椀 1937 世田谷美術館所蔵

北大路魯山人 雲錦大鉢 1940 世田谷美術館所蔵

 北大路魯山人(1883-1959/本名:房次郎)は、京都に生まれ、15歳頃から書・篆刻で才能を発揮、書家を志して次第に名を知られるようになった。朝鮮・中国への旅や、素封家たちとの交流を通して、美意識をみがいた魯山人は、1919年から美術骨董の店「大雅堂美術店」を経営し、1921 年38歳の時、その階上に会員制食堂「美食倶楽部」をオープン。「美食倶楽部」はやがて高級料亭「星岡茶寮」へと発展した。

 自作の器で客に料理を供したいと考えた魯山人が、本格的な作陶活動に入るのは40歳を過ぎてからのことだった。書の研鑽で培った筆さばきによる自在な絵付け、古陶磁の研究をもとにした織部焼や志野焼の新たな創造など、独自のセンスが光る陶芸作品の数々を制作。美と食とを一体のものとして貪欲に追い求めたその姿勢は、後年のグルメブームを先駆け、和食文化の発展にも大きく寄与するものであったといえる。

 本展は、新潟において北大路魯山人の芸術を本格的に紹介する初めての機会であり、世田谷美術館の全面的な協力を得て、利根ボーリング創業者・故塩田岩治氏の旧蔵コレクションにより展示構成。魯山人と新潟との深い所縁を伝える展示コーナーも特設する。