EXHIBITIONS

黒川徹「弦理論」

2019.02.02 - 02.27

黒川徹 蛇 2018 © 黒川徹

 「かたちをつくることとはなにか」を追求し、紐づくりで物理的な抽象美を表現する作家・黒川徹の個展が開催されている。

 黒川は1984年京都府生まれ。2007年筑波大学芸術専門学群美術主専攻彫塑コース卒業、09年京都市立芸術大学美術研究科修士課程工芸専攻陶磁器修了。その後、台湾やエジプト、ロシアなど、精力的に国内外の滞在制作やワークショップに参加。18〜19年は「『京都 × パリ』京ものアート市場開拓事業-Savoir-faire des Takumi」プロジェクトに京都市代表として選ばれ、パリの金工作家に学ぶ。2007年に神戸ビエンナーレ(准大賞)と長三賞現代陶芸ビエンナーレ(長三大賞)を受賞。18年は The Gyeonggi International Ceramic Biennale(GICB)でファイナリストに選ばれる。

 2008年以降、かたちをより明確に見せるために黒陶よりも高温焼成して炭素を結晶化させた「銀黒陶」を制作する黒川。18年からは自身にとって新素材である金属に挑戦し、絡まった2つの輪の作品《オクシモロン(Oxymoron)》などを手がけ、「重力という大きな制約があるなかで、土ならではの柔らかさや親しみやすさを表現していきたい」としている。

 輪を重ねる、伸ばすといった金属と関わることで陶作品にも新しい発想で取り組んだ本展では、新作の陶作品を艸居、金属作品を艸居アネックスで展示。金属作品は今回が初展示となる。