夢幻の旅人

　オーストリア・ウィーンの趣ある風景やヨーロッパ各地の歴史的建造物を、みずみずしく幻想的に描いた作品で人々を魅了し続ける画家、ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギー。アントン・レームデンやアーンスト・フックス、フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーといったウィーン幻想派の系譜を独自の解釈でひも解き、神秘的な世界を表現した。

　その活動は生まれ故郷オーストリアに留まらず、2002年には発表の場を日本に移して希望に満ちた作品を数多く送りだしたが、18年12月、惜しまれつつもこの世を去った。

　本展では、美しい作品の数々とともに、未発表のデッサンや新作絵画などを集め、カレルギーの軌跡をたどる。