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建築家・山本忠司〜風土に根ざし、地域を育む建築を求めて〜

讃岐の石と山本忠司 1957

 彫刻家のイサム・ノグチの住まいや、香川県で初めて日本建築学会作品賞を受賞した「瀬戸内海歴史民俗資料館」などを手がけた建築家・山本忠司。1943年に京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)図案科に入学するも、同年に徴兵され、高松で敗戦を経験。その後は京都工業専門学校建築科へ復学・卒業し、香川県に入庁して、土木建築技師として戦後復興のために働いた。

 いっぽうで、山本は52年にフィンランドで開催されたオリンピック大会に三段跳びの日本代表選手として出場。ギリシアやイタリアにも訪れ、帰国後の53年、北欧モダニズムの影響が読み取れる屋島陸上競技場を竣工した。また54〜58年、香川の戦後復興の象徴となる丹下健三の県庁舎計画にも携わった。

 これらの経験を通して最前線の建築を吸収しつつ、山本は地元・香川に豊かな技術や素材に目を向け、風土に根ざした建築のあり方を追求した。

 本展は、これらの山本の多面的な仕事をたどり、その今日的な意義に焦点を当てる。