EXHIBITIONS
三好耕三「繭 MAYU」
1970年代に写真家としてのキャリアをスタートさせ、81年から8×10インチ判の大型カメラでの撮影を開始した三好耕三。80年代に「Innocents 天真爛漫」「Picture Show 傍観」「Conservatory 温室」、など日本人や日本の原風景をとらえた作品シリーズを発表した後、90年代には米国アリゾナ州ツーソンに5年間滞在し、「Southwest」「Chapel」「CACTI」「Airfield」などの作品で綿密な描写による独自の写真表現を切り拓いた。2009年からは16×20インチの超大型カメラに持ち替え、旅の途上で出会う光景に、一会の傍観者として対峙するスタイルで撮影を続けている。
本展で展示される「繭 MAYU」は、その旅と旅の合間に撮影されたもの。15年、道中で拾ったひとつの繭に導かれて繭農家を訪ねた三好は、障子を隔てて差し込む光の中で、蔟(まぶし)と呼ばれる使い込まれた升の中に白く丸い繭がひとつずつ並んでいる様子を目にし、「最初に見た時、これをこのように撮ると決めていた」とこの時のことを語っている。
試行錯誤を重ねたモノクロームプリント30余点からなる「繭 MAYU」は、整然と並ぶ美しい繭だけでなく、かつて日本経済を支えた養蚕の長い時間と向き合うような作品となっている。
本展で展示される「繭 MAYU」は、その旅と旅の合間に撮影されたもの。15年、道中で拾ったひとつの繭に導かれて繭農家を訪ねた三好は、障子を隔てて差し込む光の中で、蔟(まぶし)と呼ばれる使い込まれた升の中に白く丸い繭がひとつずつ並んでいる様子を目にし、「最初に見た時、これをこのように撮ると決めていた」とこの時のことを語っている。
試行錯誤を重ねたモノクロームプリント30余点からなる「繭 MAYU」は、整然と並ぶ美しい繭だけでなく、かつて日本経済を支えた養蚕の長い時間と向き合うような作品となっている。


