さめた吐息

　2016年3月、LOOP HOLEで開催された「さめた体温（松田修 × 山瀬まゆみ）」展を1回目とした展覧会シリーズ「さめた･･･」。前回展の作家が次回展の作家を推薦し、企画者の大久保ありとともに展覧会をつくり上げていく。初回「さめた体温」出品者の松田と山瀬、大久保により、17年はCOBRA、ヌケメ、森田浩彰の3名を選出し、「PLASTIC｜さめたはこ」展を開催。3回目となる今年は、COBRAと森田の推薦で、榎倉冴香と森野大地を迎える。

　榎倉冴香は1982年東京生まれ、2005年多摩美術大学絵画学科卒業。ポップさと繊細さ、弱さと悪趣味とを纏ったシュルレアリスティックな絵画作品を制作してきた。本展では一転して、《Girlfriends》と名づけた友人のヌードを誠実に描いたドローイングシリーズをメインに発表する。

　森野は1995年兵庫県生まれ、現在武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程に在籍。身体のフィジカルな形象と、相反する「不在」の概念の抽出を試みている。今回は、ないはずの匂いを知覚する「幻臭」を扱った新作インスタレーション《Phantom odor》を展開する。