EXHIBITIONS

篠田守男「Tension and Compression」

2018.11.16 - 12.15

篠田守男 T&C4302 1974

 複数のワイヤーで、女性や建造物を思わせる抽象的なオブジェクトを中空に吊るした金属彫刻で知られる彫刻家・篠田守男。1966年に開催された第33回ヴェネチア・ビエンナーレでは、日本館代表にも選出され、87歳になった現在も精力的に国内外で活躍している。

 篠田は初個展から現在までの約60年間、一貫してテンション(張力)とコンプレッション(圧縮)をテーマに数多くの作品を発表。緊張感と浮遊感が一体となった独自の彫刻表現は日本だけでなく海外でも高い評価を得ている。

 72年に発行された書籍『快楽宣言』では、60年代を過ごしたアメリカ時代について語るとともに、自身の作品について、「積極的な快楽の取得か徹底的な禁欲の中でのみ、ぼくの制作は成り立つのである」と宣言した。

 本展では、アメリカ滞在時の貴重な作品から近作に至るまで約20点を展示し、独自の彫刻表現を展開してきた篠田の軌跡と現在地を考察する。