EXHIBITIONS

1968年 ―激動の時代の芸術

2018.12.01 - 12.27, 2019.01.04 - 01.27

赤瀬川原平 大日本零円札 1967 千葉市美術館蔵

山口勝弘 Sign Pole 1968 高松市美術館蔵

磯崎新 建築空間(福岡相互銀行大分支店) 2011 作家蔵 制作協力=森美術館 撮影=Echelle-1

吉村益信 反物質 ライト・オン・メビウス 1968 大分県立美術館蔵

横尾忠則 劇団状況劇場「由比正雪」ポスター 1968 高松市美術館蔵 © 横尾忠則

 ベトナム戦争の長期化、パリ五月革命や文化大革命、キング牧師の暗殺など衝撃的な出来事が頻発し、世界の社会・文化において重要な転換期とされる1968年。この時期と前後して日本でも成田の三里塚闘争、70年安保闘争など様々な社会運動が勃興。大阪万博開催に向かって高度経済成長がピークを迎えるいっぽう、地方の過疎化や公害問題のような「社会のひずみ」も表面化した。

 この激動の時代と同調するように、アート&テクノロジーの融合を志向する「環境芸術」が萌芽し、近代批判、体制批判の視点に立った表現が過熱。演劇、実験映画、パフォーマンス、デザイン、マンガ、音楽など、各分野の芸術家たちがジャンルを超えた前衛表現を展開し、とりわけカウンターカルチャー(対抗文化)やアンダーグラウンド(前衛的サブカルチャー)の要素は一部「アングラ」と呼ばれ、日本独特の世界観やライフスタイルが生み出された。

 本展は、日本の文化形成において大きな転機を迎えた「1968年」を、現代美術史・文化史の視点から照射するもの。赤瀬川原平や山口勝弘、磯崎新、横尾忠則ら当時活動した作家の作品を紹介する。