EXHIBITIONS

花魁ファッション

2018.11.02 - 11.25, 2018.11.30 - 12.20

喜多川歌麿 青楼七小町 大文字屋内多賀袖 後期展示

歌川豊広 観桜酒宴図 後期展示

歌川国貞 当世美人合 おゐらん 前期展示

溪斎英泉 傾城江戸方格 水道橋 丁子屋内唐歌 前期展示

歌川豊春 桜下花魁道中図 前期展示

 遊興の別天地として繁栄した吉原で、その頂点に君臨した花魁(おいらん)は、現代でも繰り返し映画や漫画のヒロインになるなど、その浮世離れした魅力は時代を超えて人々を惹きつけている。

 華やかなファッションが最初に思い浮かぶ花魁だが、遊里には武士や裕福な町人をはじめ当時の著名人も多く通ったため、美貌だけでなく、教養や芸事にも秀でていることが必須だった。

 権力者との華麗な交流でも注目の的となったいっぽうで、花魁たちの置かれた過酷な境遇を理解する江戸の人々は、遊里を「苦界(くがい)」とも呼び、その中で生きる花魁たちを、修行する達磨や悟りの境地に近い普賢菩薩に例えることもあったという。

 本展では、江戸文化のなかで独特の存在感を示した花魁のファッションや、日常の生活をとらえた浮世絵を紹介。なかでも、人気ぶりが絶頂期にあった花魁を艶やかに描いた、歌川豊春の《桜下花魁道中図》(前期展示)は見どころのひとつだ。