EXHIBITIONS

流麻二果「色の足処 / The Colors Have Gone Through」

流麻二果 貝合わせ 弐 In a Puzzle #2 2016 撮影=木奥恵三

流麻二果 ひねり/ A Sudden Twist 2016 撮影=木奥恵三

流麻二果 色の跡:クロード・モネ「睡蓮の池」/ Traces of Colors: Claude Monet “Water Lily Pond” 2018 撮影=加藤健

流麻二果 色の跡:ピエール・オーギュスト・ルノワール「水のなかの裸婦」/ Traces of Colors: Pierre Auguste Renoir “Young Woman Bathing” 2018 撮影=加藤健

流麻二果 色の跡:和田三造「南風」 / Traces of Colors: Sanzo Wada “South Wind” 2018 撮影=加藤健

 透明感と陰影が重なり合う特有の質感の絵画を描く「色彩」の作家・流麻二果(ながれ・まにか)。日常の中ですれ違う他人や風景への興味から始まった絵画表現は、自然や風景に内在する光や生のエネルギーが生み出す多様性へと興味が変容していくなかで抽象度を高め、独自の色彩表現へと発展してきた。

 2018年、印象派コレクションでも知られるポーラ美術館での個展をきっかけに、流は油絵による光の色彩表現と再び向き合い始めた。伝統的な絵画における色彩を丁寧に追体験しながら、新たな解釈と再構成として色を何層にも塗り重ねた深みのある色彩の絵画は、新シリーズ「色の跡」として同館で公開された。

 それと同時に、東日本大震災をきっかけにしたアーティストによる子供向けのワークショップ「一時画伯」やコンテンポラリーダンサーとのコラボレーション「踊る絵画プロジェクト」など現代美術作家としての活動の幅を広げ、また建築空間でのアートワークと色彩監修を務めるなど多面的な制作に取り組んでいる。

 国内のギャラリーでは約3年ぶりとなる本展では、伝統的な油彩絵画の色彩を探求した絵画作品、建築やダンス表現とのコラボレーションによって培われた絵画表現など、新作を含む、より多様に展開される作品群を発表する。