EXHIBITIONS

石田尚志「絵と窓の間」

石田尚志 絵と窓の間 2018 © Takashi Ishida

石田尚志 絵と窓の間 2018 © Takashi Ishida

 ドローイング・アニメーションの手法を使い、空間の質を変容させるインスタレーションを制作する画家/映像作家、石田尚志の個展が開催される。

 石田は1972年東京都生まれ。1999年の映像作品《部屋/形態》が「イメージフォーラム・フェスティバル 1999」で特選を受賞。2007年五島記念文化賞美術新人賞受賞。近年の主な展覧会に、シャルジャ・ビエンナーレ 13「Tamawuj」(2017)、あいちトリエンナーレ(2016)、茨城県北芸術祭(2016)、「石田尚志 渦まく光 Billowing Light: ISHIDA Takashi」展(横浜美術館/沖縄県立博物館・美術館、2015)などがある。

 映像の本質と絵画と時間の関係を問うべく、編集作業を通して、時間の不可逆性や反復を表現してきた石田。今回は、長期間にわたり1枚のタブローへの描画を続け、その行為がやがて室内空間全体へと波及していく様を、髙密度のドローイング・アニメーションとして記録した。

 本展で発表される新作は、こうした作家の描き続ける衝動と技術的探究が結実したもの。編集作業から無意識的な描画行為に隠されていた構造を見出して再構築し、多層的な光に溢れる空間を出現させる。