上條晋「Walk With Me To The Sea」

　ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するアーティスト、上條晋の日本初個展が開催される。

　上條は1975年長野県生まれ。16歳で単身渡米し、2002年ワシントン大学絵画ドローイング科修士課程を卒業。現在ブルックリンにスタジオを構え、イタリア、イギリス、ベルギーなどでのグループ展にも参加するなど、欧米を中心に作品を発表している。

　これまで動物や人の顔といった身近なモチーフを抽象化する絵画表現を追求してきた上條。トリマーである恋人のペットのプードルを散歩中に、そのユニークな形状に魅せられ、それ以来インターネットや雑誌の画像をもとに、次々とドローイングを制作。犬のポートレイトという一定の図式の中で、対象をデフォルメしながら、生き生きとした色と形のバリエーションが展開される。

　本展では、プードルのドローイングシリーズから本展のために制作された25点の新作を展示。色彩豊かなかたち、パターンのブロックを組み合わせたプードルのイメージを、どこか歪で遊び心のある絵画へと変換する。また会期中には、2017年に出版された画集『Poodles』（Pacific社）を数量限定で販売。46点のプードルの絵が収録されるほか、巻頭には、大学時代からの親友であるアメリカの作家、ジョナス・ウッドとの対談が掲載されている。