EXHIBITIONS

無時無刻─いつ、いかなる時も─

蘇笑柏(ス・シャオバイ)展

2018.10.12 - 11.28

蘇笑柏(ス・シャオバイ) 拂水—夏 2018

蘇笑柏(ス・シャオバイ) 拂水—秋 2018

蘇笑柏(ス・シャオバイ) 拂水—冬 2018

 中国の伝統的な素材「生漆」を生かした実験的な制作方法を駆使する、抽象美術家・蘇笑柏(ス・シャオバイ)の日本初となる大規模個展が開催される。
 
 蘇は1949年、中国・湖北省武漢市に生まれ。85年、中央美術学院油絵研修コース修了。87年、ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州が交付する奨学金制度を受け、国立デュッセルドルフ美術アカデミーの研究生を経てマイスター課程でさらなる研鑽を積んだ。近年の主な展覧会に、「Infinite Blue」(ブルックリン美術館、ニューヨーク、2018)、「The Armory Show」(Piers 92 & 94、ニューヨーク、2018)、「The world is yours, as well as ours」(White Cube Mason's Yard、ロンドン、2016)など。

 古代漆器の制作過程のひとつで、下地を安定させるために麻をかぶせる「布着せ」という技法に魅了された蘇は、一層一層を重ねる特殊な工程を通して、色彩の原始的な様態を掘り出し、物自体が持つイメージの質をも表出させる。「抽象画のなかに丁寧に封じ込めてしまうものこそ、私が伝えたい内容である」と語る蘇の作品からは、材料に人為的な概念を付与した芸術作品との相違を見ることができる。

 世界的建築家・安藤忠雄設計の兵庫県立美術館を会場とする本展では、「生漆」で描かれた《洒脱》(2017)、《拂水—夏》《拂水—秋》《拂水―冬》(いずれも2018)を中心に、ほぼすべてが2メートルにおよぶ未発表作25点を展示。本展のタイトル「無時無刻(And there's nothing I can do)」は、反芻し、温め、構想するといった一連の創作プロセスを表している。