EXHIBITIONS

菅木志雄

分けられた指空性

2017.04.28 - 06.01

菅木志雄 止潜 Halted Latency 2017

菅木志雄 止潜 Halted Latency 2017

菅木志雄 連場 Connected Sites 2017

菅木志雄 分因素 Elements of Divided Cause 2017

菅木志雄 止空原周 Halted Space, Surrounding Plains 2017

菅木志雄 存律 Law of Existence 2017

 菅木志雄は、1960年代終わりから70年代にかけて起こった芸術運動「もの派」のメンバーであり、同時代を生きる、戦後日本美術を代表するアーティストの一人といえる。「もの派」以降も東洋的思想に共鳴した独自の哲学に基づき、素材や物質、空間に対して様々なアプローチをしかけ、「もの」の持つ存在の深淵を顕在化させてきた。「もの派」への評価が国際的に改めてクローズアップされている昨今においても、菅は更にその思考を深化させ、追求し、その表現をし続けている。

 菅は1968年の初個展から現在に至るまで、国内外幾多もの展覧会で作品を発表しているが、昨年から今年にかけての 国際的な活躍が際立つ展覧会活動は、菅の約50年にわたる作品制作の歴史においても特筆すべき重要なものとなるだろう。昨年2016年には、リオ・デ・ジャネイロ オリンピック・パラリンピック開催にあわせ開催された、日本の戦後美術史に焦点を当てたブラジル初の美術展「コンテンポラリーの出現・日本の前衛美術1950-1970」(パソ・インペリアル美術館、リオ・デ・ジャネイロ)への出展、およびイタリア、ミラノのファンデーションPirelli HangarBicoccaでの個展をはじめ、イギリス、スコットランド国立近代美術館でのカーラ・ブラックとの二人展、アメリカ、ニューヨークのDia: Chelseaでの個展と、欧米の美術館において連続して展覧会を開催した。そして今年2017年5月13日〜11月26日に開催される、第57回ベネチアビエンナーレ国際展「VIVA ARTE VIVA」の出展作家として選出されており、その活躍はとどまるところを知らない。

 菅木志雄展「分けられた指空性」は、小山登美夫ギャラリーでの個展としては2015年「志向する界景」以来6度目の開催となり、大小含め約30点の新作を発表する。