EXHIBITIONS

瀧口修造・宮脇愛子 ca.1960

2018.06.02 - 06.30

「瀧口修造・宮脇愛子 ca.1960」展示風景 2018 Photo: 山口卓也

「瀧口修造・宮脇愛子 ca.1960」展示風景 2018 Photo: 山口卓也

「瀧口修造・宮脇愛子 ca.1960」展示風景 2018 Photo: 山口卓也

宮脇愛子 作品 8 1959 Photo: 山口卓也

 戦前・戦後を通してあらゆる表現分野の多くの作家と交流した詩人・美術評論家の瀧口修造と、彫刻家・宮脇愛子による2人展が開催される。

 瀧口はシュルレアリスム芸術を基軸に、日本における前衛芸術の精神的・理論的支柱として活発な評論活動を展開。読売アンデパンダン(1951)、実験工房(1951)、タケミヤ画廊での企画展など、つねに現代美術に刺激を与え続けた。1960年以降、国際展の審査、新聞や雑誌など職業的に書くことに矛盾を感じ、63年には一切の活動を停止。いっぽうで60年以降、南天子画廊での初個展(1960)をはじめ、数多くのデッサンやデカルコマニー、バーント・ドローイングなど造形作品を手がけ、瀧口独自の表現として近年ますます注目されている。

 阿部展也、斎藤義重に師事した宮脇もまた瀧口と交流を持ち、養清堂画廊での初個展(1958)の後、瀧口のすすめでイタリア・ミラノへ移り住んで本格的に作家活動を開始。一時帰国した62年の、東京画廊での個展でパリの画商、アンドレ・シェレールと出合い、同年10月には、アンドレ・シェレール画廊にて個展を開催。これを契機にニューヨーク、ワルシャワをはじめ、世界各地の主要な美術館での発表を行った。

 本展では、アンドレ・シェレールのプライベートコレクションより、パリ・モンパルナスのアトリエで制作された宮脇の初期作と、初公開を含む58~62年の作品6点を展示。瀧口の60年以降の未発表作品10点、宮脇旧蔵の瀧口作品4点も並ぶ。