EXHIBITIONS

サム・フランシスの色彩

-夏のアサヒビール大山崎山荘美術館コレクション

ポール・シニャック ヴェネツィア 1908 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

河井寬次郎 三色打釉手壺 1961 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

 アサヒビール社のコレクションからアメリカの抽象画家、サム・フランシスの作品が公開される。

 フランシスは1923年生まれ。カリフォルニア大学で植物学、医学、心理学を学ぶ。兵役中の飛行訓練時に事故に遭遇し、数年の病床生活のあいだに絵を描き始める。57年の初来日以降訪日を重ね、美術関係者のみならず詩人、音楽家らと広く交友を持った。この頃から表現に余白やにじみの効果を生かすなど作風が変化し、カリフォルニアを拠点に、パリ、ニューヨーク、東京で、色彩のほとばしる作品を制作した。

 本展では、フランシスの作品に加え、素材の微妙な調合により釉薬を生みだした河井寬次郎と濱田庄司のやきもの、筆触分割による色彩の組みあわせで光と影をとらえようとしたポール・シニャックら新印象派の絵画などを展示。古今東西の作家にとって着想の源である、色彩の多種多様な表現を紹介する。