川島崇志「Doorgang / 通路」

　自身の出身地である東北で起きた東日本大震災や活発化する火山など、自然が引き起こすカタストロフィを主なモチーフとしてきたフォトグラファー・川島崇志が、オランダから帰国後初の個展を開催する。

　川島は1985年宮城県生まれ、2011年東京工芸大学大学院芸術学研究科メディアアート専攻修了。12年に「Tokyo Frontline Photo Award」グランプリ、15年には写真集『New Coast, and a Fragment Over a Woman（新しい岸、女を巡る断片）』が第18回文化庁メディア芸術祭アート部門審査員会推薦作品に選出された。16年から約1年半、アムステルダムに拠点を移し、小山泰介との2人展「POST/BODY NATURE」LhGWR（デン・ハーグ、2017）や個展「Absence and Ambience」（ロンドン、2017）を行うなど、国内外で活動している。

　川島はかねてより、写真や映像を起点として、デジタル画像編集ソフトが引き起こしたエラー、文学作品より引用したテクストや立体作品など多様なメディアを交え、空間を利用したダイナミックなインスタレーションを発表してきた。約1年半のオランダでの滞在制作で「純粋なオランダ人」を探し撮影した男性のポートレートをキーヴィジュアルとする本展で、その成果と今後の展開を示す。

　なお静岡県浜松市の新スペース「AMS gallery」では、作家が過去に開催した3つの個展を再構成した展示が同時開催される。