EXHIBITIONS

生誕100年 中川幸夫 −連繋のかたち−

2018.06.30 - 09.11

中川幸夫 花坊主 1973 樂翠亭美術館蔵

 自然に生きる花々の移ろいゆく美しさだけでなく、朽ちてもその花の姿を追い続け、生け花の概念を超越した世界を築いた作家、中川幸夫。生け花作品を自ら撮影した写真や、植物から抽出した花液を用いて描いた「花樂」、書、ガラス作品など、心血を注いだ作品は「生命の芸術」と称されるほどに人々を魅了し、今日でもジャンルを超えて多くの表現者たちに影響を与えている。

 中川は、花を生ける器も作品を構成する重要な存在のひとつとして、陶芸作家の器から歴史的に価値のある陶磁器、また石やゴムチューブなど様々なものを用いた。例えば、戦後の京都で結成された前衛陶芸集団「走泥社」の八木一夫や鈴木治、熊倉順吉らをはじめ、三輪龍作や小川待子の作品に花を生けている。
 
 中川の生誕100年を迎える2018年に開催される本展では、生涯を生け花に捧げた功績をたたえ、樂翠亭美術館が所蔵する作品を中心に展示。交流のあった作家たちの作品もあわせて紹介する。