EXHIBITIONS

柳原照弘展「Layerscape」

2016 / Editions Series Teruhiro Yanagihara Photo : Takumi Ota

 「デザインする状況をデザインする」という考えのもと、家具やプロダクトのデザイン提供、インテリアの設計など行う柳原照弘の個展が開催される。

 柳原は1976年香川県生まれ、2002年自身のスタジオを設立。有田焼が再評価されるきっかけともなった佐賀県とオランダ共同の有田焼プロジェクト、佐賀県有田焼創業400年事業「2016/」のディレクターを務めたほか、ミラノサローネへの参加など、有田焼の伝統と革新的なデザインを融合させ、世界にアピールしてきた。

 また、スウェーデン、イタリア、フランスなど海外ブランドへのデザイン提供や、家具ブランド「KARIMOKU NEW STANDARD」、革小物ブランド「TYP / Morpho、陶磁器ブランド「1616/ arita japan」をはじめとする国内ブランドの設立に携わるなど、参加国やジャンルを横断したプロジェクトを多数手がけている。

 柳原がつねにベースとするのは「デザインする状況をデザインする」という考え方。「どうデザインしたいか」ではなく、関わる人たちと一緒に、「だれが、何のために、どう使いたいか」徹底的に向き合い、クライアントワークだけでない協同者との信頼関係を構築している。

 本展では、布を用いたインスタレーションを展開。普段あたりまえにある光や風の揺らぎを表現した空間と人が結びついたとき、どのような変化をみせるのか。来場者が存在することではじめて成立する、実験に満ちた展覧会となる。