EXHIBITIONS
菅 木志雄「広げられた自空」
60年代末〜70年代の芸術運動「もの派」の主要メンバーとして活動し、同時代を生きる戦後日本美術を代表するアーティストとして独自の地平を切り開いてきた菅 木志雄。インド哲学などの東洋的思想に共鳴した自身の哲学をもとに、石や木、金属といった「もの」同士、また空間、人との関係性に対して様々なアプローチをしかけ、「もの」が持つ存在の深淵を顕在化すべく作品を制作している。
従来の認識概念を徹底的に問い直し、ものと人間や思考は対等だと考える菅の最初の海外展である「パリ青年ビエンナーレ」(1973年)では、主客二元論が主流の当時の欧州においては「これはアートではない」とまで言われたが、国内外約370回もの展覧会で作品を発表してきた作家の歴史にとっても近年の活躍は目覚ましい。
2017年、第57回ヴェネチアビエンナーレ国際展「VIVA ARTE VIVA」では、水上でのインスタレーションとして代表作《状況律》を再制作し大きな注目を浴びた。同年長谷川祐子のキュレーションによる「ジャパノラマ 1970年以降の新しい日本のアート」展(ポンピドゥ・センター・メッス、フランス)にも出展。作品は今年新たにポンピドゥ・センターとDia: Chelseaにコレクションされたほか、テート・モダン、ダラス美術館、M+、グッゲンハイム・アブダビ、スコットランド国立美術館や、東京都現代美術館をはじめ多数の美術館に収蔵されている。
2018年5~7月に六本木、渋谷、銀座で開催される菅の個展のひとつとなる本展では、壁面に設置した立体作品やインスタレーション作品など、最新作約20点を展示。与えられた空間や環境との関係性を推敲し存在を成立させる作品は、その大小に関わらず一貫して多彩に働きかけ、新たな空間を出現させるだろう。
また本展にあわせ、『菅 木志雄 広げられた自空 l 分けられた指空性』展覧会カタログが小山登美夫ギャラリーより刊行。本展の最新作、および昨年2017年に開催した個展「分けられた指空性」の作品、展示風景画像、そして本作品集のための、森美術館チーフキュレーター片岡真実氏による寄稿も掲載される。
従来の認識概念を徹底的に問い直し、ものと人間や思考は対等だと考える菅の最初の海外展である「パリ青年ビエンナーレ」(1973年)では、主客二元論が主流の当時の欧州においては「これはアートではない」とまで言われたが、国内外約370回もの展覧会で作品を発表してきた作家の歴史にとっても近年の活躍は目覚ましい。
2017年、第57回ヴェネチアビエンナーレ国際展「VIVA ARTE VIVA」では、水上でのインスタレーションとして代表作《状況律》を再制作し大きな注目を浴びた。同年長谷川祐子のキュレーションによる「ジャパノラマ 1970年以降の新しい日本のアート」展(ポンピドゥ・センター・メッス、フランス)にも出展。作品は今年新たにポンピドゥ・センターとDia: Chelseaにコレクションされたほか、テート・モダン、ダラス美術館、M+、グッゲンハイム・アブダビ、スコットランド国立美術館や、東京都現代美術館をはじめ多数の美術館に収蔵されている。
2018年5~7月に六本木、渋谷、銀座で開催される菅の個展のひとつとなる本展では、壁面に設置した立体作品やインスタレーション作品など、最新作約20点を展示。与えられた空間や環境との関係性を推敲し存在を成立させる作品は、その大小に関わらず一貫して多彩に働きかけ、新たな空間を出現させるだろう。
また本展にあわせ、『菅 木志雄 広げられた自空 l 分けられた指空性』展覧会カタログが小山登美夫ギャラリーより刊行。本展の最新作、および昨年2017年に開催した個展「分けられた指空性」の作品、展示風景画像、そして本作品集のための、森美術館チーフキュレーター片岡真実氏による寄稿も掲載される。




