扇田克也—光のカタチ

　ガラスを素材に柔らかな光を湛える作品を生み出す作家、扇田克也の個展を開催する。

　扇田は金沢美術工芸大学鋳金科を卒業後、東京ガラス工芸研究所にてガラスによる制作を学んだ。1980年代後半より、型にガラスを詰め、熱を加えて熔かし、その後冷やし固めるコールド・キャストの方法を用いて、簡潔なかたちのなかに、光の存在を意識させる作品の制作を開始。家、山、大地、雨、海、星々といった、身の回りの風景の中にあるものを見つめ、日々を生きる中での体験から発見を得て生み出される扇田の作品には、自然の秩序の中で営まれる、ささやかな日常を慈しむ作家の眼差しが投影されている。

　本展では、初期〜現在に至るまでの作品を展示。静謐で温かな存在感を放つ扇田の表現を紹介する。